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第17話(クリス)
「何しよっか?」
モニカは考える素振りの後、宇宙図鑑を指さした。
「良い選択だ。僕の好きな星はデネブ。はくちょう座で最も明るい恒星だよ。全天21の1等星の1つで、こと座のベガ、わし座のアルタイルとともに、夏の大三角を形成してる星だ。
質量は太陽の15倍。半径は太陽の108倍。光度も太陽の54,400倍以上。
恒星としては非常に大きくて明るい白色超巨星なんだよ」
モニカはキラキラした目で図鑑を眺めている。
彼女とはすぐに友達になった。
何にでも興味津々で物事への深い理解力がある。記憶力も抜群だ。
僕は殺風景だったモニカの部屋に沢山の本を持ってきた。
ピピピピ
2人で本を読んでいると通信機が鳴った。
チームブラックの分析官ガルシアからだ。
「グラスゴー博士、どうも。私ガルシアです。まだ直接会って無いんですが宜しくお願いしますボス」
「君のボスじゃないからグラスゴー博士でいいよ。で、どうしたの?」
「ご報告が2点。
まずは、お探しのクラーク博士は今、出張中でお戻りは3日後の予定です。
それから、グラスゴー博士の担当にもなっているライリー•スイーツ博士ですがちょっとトラブルがあったようで先程、緊急のファミリーケアの依頼がありました」
「トラブル?大丈夫なの?」
「ええ、どうやら家に侵入者が入り家を荒らされていたようです」
「ライリーは無事?」
「はい、スイーツ博士は無事です。チームaのマイヤーズ隊長も一緒だったようですし怪我などの報告も無しです」
「分かった、ありがとう」
通信機を切るとモニカに向き直った。
「ごめんね、中断しちゃった。次はどの星が見たい?」
ライリー、大丈夫かな。
家への侵入となると、取り急ぎ新しい部屋の手配も必要だろうし。
捜査チームを組んで犯人を探さないと。
あれ?何でマイヤーズ隊長が一緒だったんだ???
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