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第25話(クリス)
「グラスゴー博士、ちょっといいか?」
マイヤーズ隊長は朝一僕のオフィスに来た。
「おはよう。どうしたの?」
「この前のミラーの倉庫にあった変なモンだが回収する前に襲撃で壊れたと報告があった。
あんたに修理して貰おうと思っていたら、既に保管庫から移動されてた。
俺のアクセス権限じゃ誰がどこに移動したのか不明だ」
「わかった、確認してみるよ」
「、、、」
「マイヤーズ隊長?まだ何か?」
「ハワード支部長から聞いた。あんたの事。怒鳴って悪かった」
「何を聞いたか知らないけど、迷惑かけたのは僕なんだし謝る事は無いよ」
僕はパソコンを開くとニューヨーク支部の倉庫の出納ファイルを確認する。
僕の機密情報アクセス権限はレベル8。支部長クラスと同じだ。
「危険物倉庫?」
「いや、多分、未確認物体の方だ」
「ok。あれ?おかしいな、誰も持ち出した記録が無い」
「どう言う事だ?」
「持ち出し書が提出されてないなー。
電子ロック解除記録から辿ってみようか」
倉庫を出入りする時には自分のIDカードをスキャンさせるから誰が中に入ったかわかるはず。
「ん?おかしいな、ドアのロック解除記録に空白がある」
ん〜もしかして、、、
僕はガルシアに電話した。
「ワシントン支部の危険物倉庫のドアロック解除記録に空白が無いか調べてくれる?ここ半年ぐらい」
「了解です」
「なんでワシントンの危険物倉庫も調べるんだ?」
「最近、僕が発明した脳の海馬を読み込むHIP解析装置が危険物倉庫からニューヨーク支部に持ち出されていたんだ。持ち出し書に僕はサインしてない。もしかしたら同一人物が持ち出したのかも?」
「なるほど。手口が同じなら持ち出し書は提出しない。ドアの電子ロック解除記録は空白」
「そういう事」
プルルル
「はい、ああガルシア、ありがとう。やっぱり空白か。じゃあ、、、ドクター•クラークの行動記録と相互参照してもらえる。宜しく」
「ドクター•クラークを疑ってんのか?」
「まあ、僕の装置がここにある以上は疑ってしまうよね」
「また、権利争いになるぞ」
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