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第30話(ライリー)

「ホップスは?」 医療班のメインフロアの地下8階に着くとすぐにホップスを探す。 「午後は非番で、先程帰りましたよ」 「ありがとう!」 まだ、走れば追いつくかな?! 地下にあるニューヨーク支部から地上へ登るエレベーターは二基しかない。 1番近いエレベーターで地上に登る。 地上に出てメトロまで徒歩なら西ルートが近い。 見慣れた後ろ姿を見つけた! 長い黒髪を束ねた後ろ姿。ホップスだ、間違い無い。 「ホップス!」 「スイーツ博士、、、」 「探してたんだ、少し話せる?」 運動不足を痛感。少し走っただけで息切れしちゃってる。 「何かありました?」 「あの、、、」 僕の家を荒らして研究資料を盗んだ?なんて単刀直入に聞くのも、、、 「聞きたい事があるんだけど、、、」 「本当にごめんなさい」 突然、ホップスが頭を下げて謝った。 「え?」 ホップスが目を伏せる。 「ん?!」 突然、肩から首の辺りに激痛が走る。 後ろから注射針を刺された?! 「塩化スキサメトニウム」 この声!! 「ライリー、ずっと君を見ていたよ。やっとまた会えた」 塩化スキサメトニウムって筋弛緩剤! 身体が、、、動かない! ニックがどうして、、、

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