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第41話(クリス)
「メイ!下がってー!!!」
メイやEチームが何とか持ち堪えてくれていた。
僕とマイヤーズ隊長は液体窒素を勢いよく噴射した。
ギリギリと音を立ててアンドロイドは凍結を始め動きが鈍くなっている。
「メイ、合図したらグラディウスで叩き割って!」
「分かったわ、任せて」
メイが合図を待って剣を構えた。
まだ、、まだ、、、
もう少し、、もう少し!!
完全に動きが止まった瞬間。
「今だ!!!」
バァーン!!
メイが凍ったアンドロイドを粉砕する。
アンドロイドはガラガラガラと崩れ落ちた。
その瞬間、洋館から大きな爆発音がした。
「な、なに?ドロシー、確認して」
ドローンで洋館内部を確認する。
「爆発は入り口付近と裏口?もしかしてアンドロイドを壊したから建物の自爆スイッチが作動したのかも」
「不味いな、まだ中にライリーがいるはずだ!」
「デイビス、この壊れたアンドロイドにこのまま液体窒素を噴射し続けて!温度が上がるとまた再生するかもしれない」
「え?おい、マジかよ、了解」
ガルシアに通信を繋ぐ。
「ガルシア、ダッシュ博士に極冷冷却装置一式を持って現場に来る様に伝えて!それから現場にメディカルキットと医療班を!」
「メイや他の皆んなは付近を警戒して」
「了解!」
「マイヤーズ隊長は僕とライリーを救出に行こう」
「ああ、急ぐぞ」
「もう建物が燃えてる!ちょっと待って!あそこの水汲み場の水!頭から被って行こう」
耐熱性のある戦闘用スーツを着てない僕は、マイヤーズ隊長よりもリスクが高い。
頭から水を被ると2人で洋館に入る。
ドロシーの案内で中に入ると地下への階段を見つけた。
もう煙が充満し始めている。
すごく危険な状況だ。火の手は一階部分のエントランスを既に燃やしている。
皮膚がヒリヒリする。軽度の熱傷。
階段を降りているとまた小さな爆発音。
その時、バキバキと音を立てて天井の柱が倒れてきた。
「マイヤーズ隊長!危ない!!」
先を歩いていたマイヤーズ隊長の背後からに後頭部に向かって柱が倒れかかる。僕は咄嗟に火の上がった柱を回り込み肘の部分で支える。直ぐに激痛が走った。嫌な痛み。骨幹部骨折かな。
「おい、大丈夫か?!」
「だ、大丈夫。それよりこの階段の先はラボだ。ライリーを!!ライリーを助けてあげて!!」
「ああ、直ぐ戻る!持ち堪えられるか?」
「君たちが戻るまで、絶対に大丈夫だから」
「すぐ戻る」
マイヤーズ隊長は階段を駆け降りると、ラボの入り口のパネルを銃で撃ち抜いてドアを開けた。
「ライリー!!!!」
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