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第48話(ライリー)
どうしても、会いたい。
僕は仕事が終わるとすぐにグラスゴー博士のオフィスへ走った。
トントン
「どーぞ、会いてるよー」
今日は居た!
相変わらずドアロックを掛けない主義らしい。
ドアを開ける。
「あの、今大丈夫で、、、え?!真っ暗?」
「ラッ、スイーツ博士!」
「グラスゴー博士、コレ」
真っ暗じゃない?
「君がまだニューヨーク支部でオフィスキャンプするなら、夜空を見上げて眠れるようにと思って作ったんだ」
部屋の天井や壁には晩秋の天体が散りばめられていた。プラネタリウムだ。
「チェックして大丈夫だったら君の部屋に持って行こうと思って。
結構正確に再現してるんだよ。24時間365日リモート再生で地球の自転通りに日の出や日の入りも再現してるから本物の夜空とほぼ同じ。
ほら、あれがオリオン座。こっちはペルセウスにアンドロメダ。
コレはアンドロメダ銀河のM31、NGC 224。ちゃんと渦巻銀河でしょ?」
また子供みたいなキラキラした顔してる。
「君が落ち込んだり、憂鬱な気分にならないように」
僕のためにこれを?
だめだ。また、涙が出た。
でも、これは嬉しくて。
「スイーツ博士?!ごめん、こんなの迷惑だったかな?泣く程嫌だったらハワード支部長の部屋に持って行くから!」
グラスゴー博士は焦った顔で早口になった。
「好き」
もう自然と言葉になって溢れて来た。
「、、、?プラネタリウム?」
「いいえ、プラネタリウムも好きですけど、僕が好きなのはグラスゴー博士あなたです」
「、、、、、、???、、、、、!!」
急激に顔が真っ赤になった。
「このプラネタリウムを一緒に見たい」
近づいてグラスゴー博士の手に触れた。
「ここで一緒に」
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