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第7話
あれから、寮を出て電車に乗り、目的地の駅に着いた頃には結城の調子が戻っていた。
「今日、どこに行くか全然聞いてないんだけど。」
「大丈夫。案内は俺に任せてよ!」
そういって連れてこられたのはパンケーキが有名なカフェだった。
「パンケーキ?」
「うん。いっつもクッキーとかチョコとか食べているから甘いもの好きかなって?」
だめだった?と首をこてんと傾けて聞いてくる。
「ううん。甘いもの好き。それにこの店も気になっていたし。」
そう返すとニマニマとした笑顔で良かったと言った。
有名な店なだけあって店前は並んでいる。女の子やカップルばかりがたくさん並んでいる中にいるとそれなりに周りからの視線が集まる。正直、周りから見られるのは嫌いだ。店側に寄ってあまり見られないようにする。
ポスッと頭に何かを被せられた。
「いいんちょ、帽子似合うね。」
上に被されていたものを触ると結城のハットの形をしていた。
「それかぶってていーよ。」
きっと結城は俺の心境に気付いて帽子を被してくれたんだろう。
「ありがとな。」
「なにがー?」
ないもないように言うが、頰をかいている。やっぱり褒められたり、お礼を言われることにはなれていないのだろう。
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