9 / 173

第8話

   30分ほど並んでようやく席に着く。 「はらぺこ。何頼む?」 「二人で別の頼んでわけっこしよーよ。」  結城の提案に賛成して、俺は抹茶パンケーキ、結城はチョコパンケーキを選んだ。 「いいんちょって和菓子系好きなの?」 「言われてみれば好きかも。抹茶とかあんことか。」 「じゃあ今度、和菓子差し入れするね。」  結城は風紀室に入り浸るのを悪いと思っているのか、よく差し入れをくれる。そのおかげで、風紀の中では結城の印象が良い方向に変わっている。 「別に差し入れなんてなくてもいいんだぞ?」 「いいの!俺が好きでやっていることだから。」  そうこう話しているとパンケーキが来た。 「まって,美味しそう!」  そう言いながら結城はパンケーキをパシャパシャと撮る。俺は結城が満足するまで手を膝に置いて大人しく待つ。 「満足した!」 「ううん、まだ!」  次は体の向きを変えてカメラをインカメラにした。俺と結城とパンケーキがちょうどよく写る画角になる。 「いいんちょ、撮るよー!」  そう言って結城のスマホの画面には3、2、1と。そしてシャッターが切られた。 「これで満足!後でいいんちょにも写真送るね。」  二人ともナイフとフォークを持ってパンケーキにかぶりつく。 「ん、おいしい!」  おいしい。声を出した結城と顔を合わせて頷き合う。結城は満面の笑みにほっぺにチョコクリームをつけていた。  テーブルから少し身を乗り出して人差し指でクリームを拭う。その人差し指を自分の口元に持ってきて舐める。 「おいしい。」  そう言ったら「普通に食べて!」と赤面で怒られた。その後、にもらった結城のパンケーキも、美味しかった。

ともだちにシェアしよう!