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第13話
結城へいくらLINEしようと既読はつかない。電話をかけても留守番電話になってしまう。やっぱり何かがおかしい。
いや、勘だが犯人は分かっている。
『〇〇駅〜、〇〇駅〜』
電車の扉が空いた瞬間に飛び降りる。
周りの目も気にせずとにかく走って改札を抜ける
きっとこの駅周辺にいる。
暗くて、人通りが少ないところだろう。
駅を出て、抜け道だとか暗い場所を探す。
だが、それらしきところへ行っても結城はみつからない。
一度駅へ戻って反対の出口へ向かうことにする。
駅構内を走っている時、一つの場所が目に止まった。清掃中の看板が建てられた駅の古びたトイレ。
俺は迷わず看板を蹴っ飛ばして中へ突っ込んだ。
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