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第16話

 結城の体をまさぐっていた奴を殴る。 「おまえ、なんだよ!!」  次に穴を弄っている奴を殴る。 「いって!!!」  最後に口にちんこを突っ込んでいる奴を殴る。倒れたところで、ちんこを思い切り踏んづける。  まだ、足りない。ひたすらに3人を殴って蹴る。自分の拳からも血が出て滲んでいた。 「悪かっ、た、から、もう、なぐら、ないで、くれ。」  悪かった?そう言えば済むとでも?  拳を振り上げる。  そして振り落とそうとしたときにシャツを引っ張られる感覚がした。  結城がか弱い力で引っ張っていた。  結城はシャツが全開でボタンもついていない。顔は汗と涙と鼻水と、精液で、ぐしょぐしょだった。おれが振り向いて目が合うと、目を細めた。力のない笑みだった。 「いいん、ちょ。」  俺は結城を力一杯抱きしめた。 「ごめん。守れなくて。」 「守ってくれたよ。助けて、くれたじゃん。」  顔の横でふるふると首を振ったのが分かった。 「こわかった」  小さい声に、一層結城を力強く抱きしめた。

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