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第21話
「おはよう。」
寝室の扉を開けると、結城はもう起きていた。
まだ、眠いのか結城は体を起こしたままぼーっとしている。
ようやくこちらに気づいたのかこちらへ首を向ける。次の瞬間、顔から火が出るくらいに真っ赤な顔をしていた。
「結城?」
「まままままって!」
枕で顔を隠される。
「近づかないでぇ」
耳まで真っ赤だ。
「俺なんで、きのう、あんな。」
昨日、自分が犯したことに羞恥しているらしい。かわいいな。キスしたいけど近づくなと言われたからな。
「ご飯できているから、おいで。」
こくんと、小さく頷いたのを確認して先に部屋を出た。
昨日、あいつらにやられたことは忘れられただろうか。けど、今日は警察へ行って話をしなければならない。嫌でも思い出してしまう。もっと早く助けられていれば、とどうしても思ってしまう。
「圭太?」
「結城。」
いつの間にか結城が部屋から出ていた。
「ご飯食べよっか。」
朝食はトーストと卵焼き、サラダという簡単なものを作った。
「圭太。これ美味しい。」
それでも結城はずいぶんと喜んでくれた。
どうやら結城の中で「圭太」呼びはまだ続いているらしい。
俺はあの時限定だと思って言っていたのだが。まあ、名前で呼んでくれるのは純粋に嬉しい。
簡単なものだからすぐに食べ終わった。
「結城。」
食べ終わったところに、俺が呼びかけると、テーブルの向かい側に座っている結城は「ん?」と聞いてくる。
「今日は風紀を通して学校は公欠になっている。それで、今日は警察と昨日のことについて話さなければならない。」
「わかった。」
案外すんなりとしていた。
「大丈夫か?」
「うん。これが初めてじゃないから。」
「どういうことだ?」
「警察から帰ってきた後、圭太にはちゃんと話す。」
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