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第23話
「オレのこの格好もこの学校に入ってからなんだ。」
そう言って、スマホに保存されている写真を見せられた。今よりも幼い、結城の写真。
背が小さくて、ストレートの黒髪、顔も童顔ぎみ、学ランは着せられていると言う方が正しい。大人しそうと言うのが1番の印象だ。
「襲われないようにするために必死で見た目を変えた。」
結城は自分の髪の毛を一束とり、サラッとなでる。
「ピアスも、怖い、強くならなきゃって思うたびに空けていて、気づいたらこんなに。」
耳たぶをそっと触る。
「でも中身はかわってなかったな。」
乾いた笑い声を結城はする。
「そんなことないよ。」
そっと、結城の頭を撫でる。染めていてもサラサラな金髪。
「お前は頑張ったよ。変わろうとした。」
撫でながらそっと横からぎゆっと、抱きしめる。
「ゔ、ん。」
「我慢しなくていいよ。俺しかいないから。」
ひっく、ひっくと声を出して泣き始める。
「心配した。」
「ご…めん゛、」
「もう無断外出すんな。」
「ひっ、く、わがっ、だ」
結城は自分の服と俺の服がぐしゃぐしゃになるくらい泣き腫らした。
「これからは、俺が相手になってあげるから。」
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