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第25話
今日は電車に揺られて久々の外出だ。
理由は前日に遡る。
・・・
「圭太、明日時間ある?」
ソファで隣に座っている結城に問いかけられる。
仕事はあった。けど早く終わらせなければいけないものはなかった。
「大丈夫。」
「ほんと?よかった。実はさ、」
そう言ってスマホの画面を見せながら話してくる。
「ミカさんが最後に会う時に圭太も来て欲しいって。」
トーク画面のメッセージには、『ならその子も連れてきて!』と書かれていた。
「夜の仕事してるから、お昼に会うことになっているんだけど大丈夫?」
申し訳なさそうにそう言ってくる。
「大丈夫だよ。少し抜けるくらいなら。」
「何言ってんの、圭太。」
通りかかった葵が声を飛ばしてくる。
「別に人一人いなくても仕事は回るよ。1日行ってきな。」
「別に一日もらわなくても、「いいから。」
葵の笑顔が怖い。
「わかりました、ありがとう。」
「それでよろしい。」
言わされたような気がする。
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