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第26話

「ここだよ。」  場所は、街中だと誰に見られているかわからないということで、ミカさんの家になった。  マンションの前に着き、慣れた様子で結城は操作をし、エレベーターに乗り込む。目的の階に着くと、ミカさんは廊下で待っていた。 「久しぶり。さ、入って。」  ミカさんは薄い化粧にTシャツ、ジーンズを履いていた。  部屋の中もシンプルで木製と白系のインテリアでまとめられている。 「驚いた?」  えへへ、とミカさんは照れ臭そうにしながら聞いてくる。 「いえ、全然。」  きっと今のミカさんが素なのだろう。 「そっか。」  ふふっと口元を隠して笑う仕草はとても女の子らしかった。  二人がけのテーブルに丸椅子を一つ追加して3人で囲む。  ミカさんがお茶を出してくれた。 「ありがとね。今日は来てくれて。」 「いえいえ!」 「でも安心したよ。連れてきたボーイフレンドがあのイケメンの子で。」  「面食いめ!」と肘を突いて茶化されている結城は照れ臭そうにしている。 「別に顔じゃないし。」 「んー?なんかいった?」 「なんでもない。」  ミカさんの家に来たからって別に真剣な話をしたわけではなかった。3人でおしゃべりをしていた。結城のことをベラベラと喋って、それに赤面をする結城が可愛かった。 「ミカさん、呼び出したくせに大した話してないじゃん。」 「いいのいいの。私はただ雲類鷲くんがどんな子か知りたかっただけだから。」  視線を俺に合わせてくる。  なんだか目の奥深くまで見られているような気がした。 「この子なら、結城を任せられる。」 「はい。絶対に護ります。」

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