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第33話

 俺には兄がいる。  兄と、母と、父。これが家族構成だ。しかし父としか血は繋がっていない。  俺が6さいぐらいの時に再婚した。お互い連れ子。  俺が自分の性癖に気づいたのは、小学生の時だった。      夜遊びが激しい父は、キャバクラとかクラブに連れて行ってくれた。客寄せパンダとして。  でも別に嫌いじゃなかった。 「圭太くん、かわいい!」 「ほんと?お姉さんの方が可愛いよ。」  そう言って、ほっぺたにチューをするだけでお姉さんたちは何でも買ってくれたし、何でもやってくれた。お姉さんたちに囲まれて遊ぶのは楽しかった。  お兄さんにチヤホヤされるのも好きで、自分がゲイよりのバイセクシャルなのはこの時には気付いていたと思う。   「圭太くんは私と結婚しようねぇ!」 「ううん。私と結婚しよ!」  8才の子供に言ってくる。まだ、これが冗談だなんて分かっていなかった。 「みんなと結婚すればいいじゃん!」  だから、幼いなりに大真面目に答えていた。  こういうことを覚えていたから、女の子の扱いは慣れていて、小学生なのに彼女がいるませたガキになっていた。  けど。何か足りなかった。  気付いたのは俺の家で、彼女と、その友達と3人で遊んだとき。  きっと彼女の友達は俺のことが好きだったのだろう。彼女の見ていない隙を狙ってアプローチをしてきた。  それがとても優越感に浸れた。  ああ。  これだ。  

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