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第34話
これだ。
これが欲しかった。
きっと一人じゃ足りないんだ。
だから、幼い俺は言った。
「ねえ、付き合わない?」
瞬間、部屋の空気は凍りついた。彼女は泣きそうな顔をしていて、彼女の友達は間抜けな顔をしていた。だって、彼女のいる前で、別の女の子に告白したんだから。
「圭太くん!?何、わたしは!?別れるの?」
今までに聞いたことのない大きな声で聞かれる。けど、理解できずきょとんとするしかなかった。
「え?3人で付き合えばいいじゃん。」
「意味わかんない!!もういい!!」
何がもういいのかはわからないが彼女は扉を勢いよく開けて部屋を飛び出した。
「圭太くん、」
残っている彼女の友達が話しかけてくる。
「あの子と、別れて、私と付き合ってくれるの?」
「いや?違うよ。」
別にその子と付き合いたいわけではなかった。ただ、自分を好きでいてくれる人に囲まれたかった。
返答が思っていたものとは違ったのか、次第に涙目になる。
涙をこぼしながら部屋を出て行った。
部屋に一人になってしまった。
「へんなの。」
この一部始終を見ている人がいた。
「きも。」
扉の方から聞こえた声に、振り返った。
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