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第47話
「結城。」
昼ごはんを一緒に食べるために同じクラスである結城を呼ぶ。
「まって、今行く!」
慌てて板書を書き留めていく。
結城はちゃんと授業を受けるようになった。
「ごめん、待った?」
「ううん、大丈夫。行こっか。」
俺と結城が付き合っていることは周知の事実になっていた。
そりゃあ、途端に接触する回数が増えたら誰もが勘繰るだろう。だが、それだけではなく、結城は周りに見せつけるように腕を組んだり抱きついたり。
おそらく、自分の恋人だと威嚇させて、誰にも渡さないと言う独占欲だろう。とてもかわいい。
「圭太は何食べる?」
「うーん、唐揚げにしようかな。」
「じゃあおれも。」
そう言って唐揚げ定食を二つ頼んでくれた。
渡された料理をトレイで持って奥の方の席へ座る。
ここの席は、風紀とか生徒会とかが優先的に座れるようになっている。仕事の都合によっては早く食事を済ませる必要があるからだ。優先的なだけで、別に一般生徒も座れる。まあ見たことはないが。
コトンとトレイをピタッとくっつけて、結城は隣に座る。
「ねえ、今日の委員会は何時に終わるの?」
「会議があって、それから生徒会とも仕事があるから」
「じゃあ遅いの!?」
「そうなるね。」
「そっかぁ。」
唐揚げを一つ食べる。
「じゃあ今日は圭太の部屋に行けないね。」
「ん?んんん(なんで)?」
食べている唐揚げを飲み込んだ後に、ポケットを探る。
「はい。」
取り出したのは鍵だ。
「待ってればいいじゃん。」
「いいの?」
「いいよ?」
両手で鍵を受け取るとぎゅっと握りしめた。
「帰ってきた俺を癒してね。」
「うん。」
「ちゃんと外泊届出してね。」
「わかった。」
仕事が忙しかった後に結城と会えるのは俺も嬉しいし。
もう一つ唐揚げを齧ったが、疑問が浮かんで箸を止める。
「ていうかさ、一緒に住めば良くない?」
「え?」
結城の手から鍵が落ちてしまった。
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