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二章:第1話
「急ぐぞ!!!」
役職上、キッチリと制服を着ていたが、あまりの鬱陶しさにネクタイを緩める。
腕を振る度に、腕章が邪魔で仕方がない。
なんでこの学校はこんなにも広いんだ。
校舎を出ると雨が降っているが知ったことではない。
土砂降りで転びそうになる中、中庭まで走る。
中庭に来ると、人混みを見つけた。
「風紀だ、道を開けてくれ、」
息を整えるままもないまま、傘をかき分け、騒動の真ん中に行く。
真ん中には、茶髪の少年と、黒髪の少年が二人。
「おい、やめろ!!」
とは言っても、もうやめている。
黒髪の少年たちは、地面で伸びていたからだ。
俺が来たからか、それともその前からなのか、雨の音だけがこの場を、支配していた。
雨が制服に染み込んで余計に重く感じる。
雨に打たれながらたたずんでいた茶髪の少年は、俺の声に反応して、ゆっくりと視線をこちらに向ける。
「だれ?」
「風紀委員長だ。お前を連行する。」
彼の目は青かった。
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