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第7話

「なんで委員長なの?葵先輩は?」  目の前に座ると機嫌が悪いことをあらわにする。  「向こうが俺のこと怖がって話せないから。だから俺が君担当。」  「あっそ。じゃあ他の風紀の人でいいじゃん。」  「お昼休みに他の子に仕事押し付けたりしたくないからね。さ、本題入るよ。」  パンパンと手を叩く。  「足かけたでしょ。」  ギクっと効果音が流れるかのように肩を跳ねさせてそっぽを向く。  「かけたよね?」  「ああ!もう!かけました!でも向こうが睨んできたから!」  すぐに諦めて正直に言う。  「あの後煽るも必要なかったでしょ。」  「それは!普通の人ならあれで許してくれるから…。」  「許してくれる人もいないってこと。睨まれても、何されてもやり返さない。何かあったら助けてって言えばいいだけだから。」  「はーい。」  多分、やり返すだろう。プライドが邪魔して。  「本当にヤバい時は絶対に助けを求めること。」  「…はい。」  今度はしっかりとした返事が返ってくる。  「誰かに襲われてもおかしくないよ。顔は可愛いんだから。」  「今可愛いって言った!?」  天野ルイが反応したのはそこだった。  「可愛く無い。」  そう言うと、本当に可愛くない舌打ちが返ってくる。  「はは。面白ろ。」  でも、彼は入学して三ヶ月も経っていない。本当に襲われても可笑しくない。彼はまだこの学園の怖さを知らないように見えた。

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