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第26話
ピンポーンという音に玄関へ向かう。
「はーい。」
扉を開くとルイがいた。
「早かったね。」
「あ、うん。おじゃまします。」
玄関で靴を脱いで、丁寧に並べる。
「ん、こっち。」
あらかじめ片しておいたリビングのキッチンテーブルに連れて行く。
「あ、こんにちは。」
リビングには結城もいた。
「こんにち、は。」
ルイは俺の服の裾を掴んで挨拶を返す。
そうだ。ルイは結城のこと怖いんだっけ。
「大丈夫?部屋に行ってもらおうか?」
屈んで目線を合わせていう。
「大丈夫。ぶりっ子する癖、直したいし。」
「そっか。」
えらいえらいと頭を撫でる。
今日は手を跳ね除けなかった。
「金髪の人は相部屋なの?」
「うん。」
「ふーん。」
ルイが目線を結城に向けると2人の目が合う。
「なに?ふたりで何話しているの?」
「…別に。」
ルイが結城に返した言葉はこうだった。
「話せないくらいやましいことなの?」
「…知る必要ないでしょ。」
ぶりっ子を無くしたら無くしたらで、またケンカへ発展しそうだな。
ルイが成長するのはまだまだ先だと思った。
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