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第27話

 「どうすればいいかなー…。」  仕事をしながら独り言をぼやく。  ルイのことで悩んでいた。  補習の勉強は順調だ。問題は人とのコミュニケーションだ。結城に話しかけられても上手く返せない。  もっと親しみやすい人がいいんだろうか。  結城のことは怖いらしいし。  自分の担当分が終わった書類を一年代表の小野に渡すために席を立つ。  一年の子は耳にイヤホンをしていた。  トントンと肩を叩くと、すぐにイヤホンを外し振り返る。  「すみません、気づかなくて。」  「いいよ。はい、これ。」  「あ、ありがとうございます。」  さっきまで聞いていた曲を止めるためにスマホを動かす。  ちらっとスマホ画面が見えた。  「小野、“uruca”好きなの?」  「はい!先輩も好きなんですか?」  「あ、いや俺じゃなくてルイが。天野ルイってわかる?小野と同じ一年の。」  俺が好きなものでもないのに何故口に出してしまったのかと今さら思う。  「俺、同じクラスですよ!そうなんだ、天野って趣味合うのかな。」  「ねえ、小野。」  「はい。」  「頼み事していい?」

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