「うっみだー！！！」 　半袖のラッシュガードに海パン姿の結城が俺の腕を引っ張って海へ走る。 　「ちょっ、結城！」 　バッシャーン 　静止する間もなく海へ連れ込まれる。 　口に入った塩水がしょっぱい。 　「ゆうきー？」 　反撃とばかりに水をかけてやるとそこから応戦が始まる。 　俺と結城、ルイ、葵、小野。それと風紀の担当教員である金沢先生の６人で海へ来ていた。 　金沢先生は俺たちが予定を組んでいるところを聞いて話に混ざってきた。 　「葵、水着姿も可愛いな。」 　「ちょっ、暑いのにくっつかないで、ください！」 　教師だが髪の毛をセットしていて、言動も親しみやすい。言ってしまえばチャラい教師。 　そんな金沢先生は葵に肩を抱かれるのを拒まれていた。 　「ねえ、葵と先生、距離近くない？」 　応戦をやめて結城に話しかける。 　「それ、俺も思った！」 　つい2人を見つめてしまう。 　「一年生の時もなんだよね。風紀に立候補したのも、それが理由だったりして。」 　「へー！そんな前から。圭太って自分のことには鈍感なのにね。」 　「何の話？」 　「なんの話だろーね？」 　バシャ 　油断していた俺に水をかけられる。 　「あ、おい！」 　そこからまた応戦が始まった。