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第30話
ルイ視点
二泊三日の海旅行。
無事に補習を合格できた僕は旅行に参加していた。
旅行は先輩たちに任せていたから、今日泊まる旅館がこんなに豪華なところなんて知らなかった。
高校生の旅行ごときで泊まるような旅館ではない。
「やばっ、でっか。」
隣にいる小野も驚いている。
改めて今ここにいる人たちは金持ちだったのを思い出す。
旅行のお金も全て先輩と先生が出していると言うが申し訳なくなってきた。
「僕、こんなとこ泊まったことない。」
「そうなの?」
「あまり旅行することなかったから。」
家族とも友達とも。
2人で話していると後ろから体重がかかる。
「じゃあ、今日初海?」
委員長だった。僕と小野の身長がほとんど同じだから2人の肩にのしかかっていた。
「う、うん。」
「なら明日も楽しもうな。」
それだけ言うと俺の頭を撫でて去っていく。
今日、委員長との初会話だ。
結城先輩がベッタリだったから。
撫でられた頭をそっと触った。
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