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第31話

 ルイ視点  「美味しそう!」  旅館の食事部屋に行くと、もう料理が用意されていた。  綺麗に盛られた刺身に、天ぷら、寿司と豪華だ。  「写真撮る!」  全体が映るようにスマホを試行錯誤していると目の前にいる金沢先生に鼻で笑われる。  「女子みたいだな。」  「悪い?」  「ルイくんいじめないの。」  隣にいる葵先輩にまあまあと抑えられている。  「ルイくんは可愛くていいじゃん。ね、圭太。」  葵先輩が話を振った先は委員長だった。  ふいに僕に視線を向けられる。  「ルイは可愛くないよ。」  「……知ってる。」  何回も言われているし。  けどチクリときた。  「もう、圭太は。」  葵先輩は呆れた顔を浮かべている。  「ねえ!俺は!?」  次に話に加わったのは結城先輩だった。  委員長に腕を絡めて聞いている。  「可愛いよ。」  即答だった。  さっきよりもずっとチクリとくる。  「もうこの話いいから食べよ!」  なんか嫌でこの話を終わらせる。  「天野、蟹の殻まで食べている。」  「え?」  小野に言われてぼーとしていることに初めて気づいた。

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