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第32話
ルイ視点
夕食を食べ終わり宿泊部屋へもどる。
部屋分けは葵先輩と先生、結城先輩と委員長、僕と小野だった。
夕食中にしかれていた布団にダイブする。
「あー、お腹いっぱい。」
小野はそんな俺を見て笑いながらベランダに繋がる襖を開ける。
「あ、すごい。こっからも海見える」
小野の声に首をベランダの方に向けると夕焼け空の海が見えた。
「きれい。」
「だね。お得意の写真は撮らなくていいの?」
「小野までうるさい。写真撮るのはご飯限定だし。」
「お菓子に釣られて変な人についていくなよ。」
「なっ、そんな馬鹿じゃないし!!」
「意外とあり得る。」
追試の勉強を見てもらった小野からの言葉だったから信憑性が増す。
「…うるさい。」
布団から起き上がりテレビをつける。
ゴールデン枠のお笑い番組が映った。
「お、これやってんじゃん。」
僕は布団に戻って、小野は座椅子に座ってテレビを見る。
「なあ小野。」
「ん?」
「委員長と、結城先輩って仲良いよね。」
「そりゃあ、ね。」
含みを持って笑みを浮かべるが僕にはよく分からなかった。
「え?」
「え、天野知らないの?」
あーでも一匹狼だったしな天野とか、噂が耳に入ってきてないのかとか、よく分からないことをボソボソと言っている。
「なに?」
言いにくそうにしている小野を急かす。
僕はあとから聞かなければよかったと後悔する。いや、本人に言われるよりはよかったかもしれない。
「2人、付き合っているよ。」
テレビから聞こえた笑い声が俺に向けられた気がした。
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