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第33話
ルイ視点
「そう、なんだ。」
別に聞き返さなかった。
納得がいってしまった。2人の距離感だとか、雰囲気とか、むしろなぜ今まで気づかなかったんだろうと思うくらい。
その後、小野との会話はなかった。テレビの画面をずっと見て。面白くない番組に変わっても見続けていた。
「もう寝る。電気消すか。」
と言われた時に顔をやっと合わせた。小野の顔がくしゃりと歪む。
近づいて頭を撫でられた。僕、どんな顔してたんだろ。
「ごめん」
背中越しに聞こえた。小野は悪くないのに。僕は首を左右に振るのが精一杯だった。
夜は眠れなかった。
スマホを見たらさらに眠れなくなるだろうと思って触らなかったのに、一向に眠れなかった。
早く寝て、この気持ちを投げ出したいのに。
なんで今気づいたんだ。
布団にくるまってしゃっくりを殺す。小野は悪くないから、迷惑をかけたくないから。
なんであの時「委員長に嫌われたくない」と思ったのか。
勉強会に人数が増えた時に寂しいと思ってしまったのも。
勉強会を終わらせたくなくて少し点数悪くしていたのも。
委員長が好きだからだ。
でも今更なんだ。だってもう結城先輩と付き合っているんだから。
僕、迷惑だったのかな。
本当だったら夏休みは結城先輩と二人でいたかったかもしれない。
勉強会も嫌だったのかな。
小野を使って僕を避けてたのかな。
嫌われてる、のかな。
でも、迷惑なのは間違いない。
僕は委員長に近づかないほうがいいんだ
布団はぐしょぐしょになっていた。
寝た記憶がほとんどないまま、辺りが明るくなっていた。
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