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第36話

 海の家で待ち合わせをして昼食を食べる。  自然に座った席の配置だが、ルイは正反対の位置にいた。  昨日の昼食や旅館の時で大体の席の配置は定番になりつつあったというのに。  また違和感を覚えた。    多分、避けられている。  何か俺、したか?そう考えても何も出てこない。  「ねえル…」  「葵先輩!!」  声をかけても遮るように他の人と話し出す。  一瞬目が合う。  けどすぐにそらされる。  ルイに声をかけようとして挙げた手は中途半端な位置で行き場をなくす。その手をゆっくりと引っ込めた。  「…圭太、…圭太?」  「あっ、ごめんなに?」  「圭太のメシ、来たよ。」  「あっ、ありがと。」  「うん…」  昼食を食べ終え、また別行動になる前に、もう一度声をかけようと試みる。  「ルイ、ルイ!」  いくら呼びかけようと反応が返ってこない。  「聞こえてるだろ?」  強引に腕を捕まえる。  けど、こちらを向いてはくれない。  「なあ、ルイ、」  「嫌い。」  「嫌いだから、話しかけないで。」  今度こそ、頭からガツンと衝撃を受けた。

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