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第39話
ルイ視点
波打ち際に来る。
バケツに水を入れるだけじゃなくて、顔も海で洗う。塩水が染みるけど、今はそれくらいがいい。
真っ赤だった顔が元に戻ったのを確認して小野のところへ戻る。
水を取りに行った場所はそれほど遠くない。
小野の近くには誰かがいるように見えた。
けど、よく分からず近寄る。
すると、小野が絡まれているっぽい。
相手はタトゥーをしててといかにも柄の悪そうな人達だった。
「小野!」
バケツを放り捨てて、小野の元へ駆け寄る。
「あの!」
三人いる奴らに話しかける。
「あ゛!?」
「あ、」
一瞬、可愛こぶって巻こうとした自分に気づく。
上目遣いで、少し声を上げていて。
それじゃダメだと、拳を握る。
「あの!僕の、友達なんで返してください。」
「はぁ?」
殴ろうとしているのが見えたから僕も殴ろうとした、が、後ろから羽交い締めにされた。
もう一人いたのかよ!?
「お前も可愛いな。」
「…男なんですけど。」
「そんなん海パン見りゃわかるっつうの!」
訳もわからず腹を殴られる。
「天野!?」
小野の怯えた顔が見える。
仮にも風紀の一年代表なのに情けないっての。
でも高校生でこんなにガタイのいい奴はいないか。
「騒ぐなよ?おい!連れてけ!」
こいつら、カツアゲじゃなくて体目当てか。
意識があっても力で勝てるわけがなく、人気のないほうまで連れてかれた。
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