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第40話
ルイ視点
ずりずりと引きずられてどこかへ連れてかれようとしている。
口は奴の手で塞がれたままだ。
時々、僕たちのことを不審な目で見てくる人もいるが、手を出すことはしない。
見てないで助けてよ。
裸足で砂の上で引きづられていたからか、足の裏から血が出ている感覚がする。ズキズキしてちゃんと歩けない。
ふと海の方を伺うとサーファーがいた。
それもたくさん。
もしかして、委員長いる?
けどたくさんいてなかなか見つからない。
次に小野の方を見るが今だに怯えている。
もう一度、海の方をみる。
今日、委員長がどんな海パンを着ていたとかよく見ていない。
ああ、くそ。
塞がれている口を大きく開き、奴の手に噛み付く。
しょっぱい手だった。
「いっ!お前!」
口から手が離れた瞬間、僕は叫んだ。
「いいんちょーーー!!!」
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