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番外編:ルイもしたい⑥
ケータイのアラームの音に起こされて、体を捩って止める。
土曜日なのにアラームを切り忘れていて早く起きてしまった。
隣で寝ていた結城も、アラーム音で寝ぼけながらも起きている。
「おはよう。」
「んぅ…はよ」
頬に手を添えると、甘えるように擦り寄ってくる。
かわいい。
「まだ寝てていいよ。ご飯できたらまた呼んであげる。」
「……ん」
俺の言ったことを理解しているのか、理解していないのかは分からないが、素直に返事をしてくれた。
ベッドから一人だけ抜け出し、部屋から出る。
扉はドアノブを捻ることなく空いた。昨日ちゃんと閉めてなかったっけ。
そんなことをぼーっとした頭で考えながらキッチンに行くとルイがいた。
コップにオレンジジュースを注いで飲んでいる。
後ろの俺には気づいていないっぽい。
「おはよ。」
ルイの肩に体重を乗せてバックハグをする形になる。
「ひゃあああ!」
思ったよりも驚いてきたルイはコップを落としそうになり慌てて支える。
ルイはこっちを振り向くが思ったよりも顔が近かったのか顔を元に戻す。
「…はよ。」
ルイは耳まで真っ赤だった。
いつものルイだったら言い返してくるのに今日はそっけない。
「…どうしたの?」
そう聞くと、ルイはゆっくりと振り返る。
「なんでもない!!」
ルイはそう言ってどこかへ行ってしまう。
振り返ったルイの顔は不自然なくらいに赤かった。
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