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ルイとデート 3

   「すごい、結構人気な場所なんだね。」  店に着くと、外にお客さんが待っているほど、人気なお店だった。  カップルや女性客の多い、おしゃれなお店。  「順番待ち、書いてくる!」  そう言うルイについていく。  「すみませーん、お客様!」  言葉に感情がこもってない謝りが、店員から投げかけられる。  きっと今日何度も口にしていたのだろう。  「本日、予約の方で席が満員になっていて…、すみませんが当日来店の方はお断りさせていますぅ。もーうしわけございません!」  ガーンと音が鳴るようにルイがショックを受ける。  「そう、ですか…」  「残念だけど、ルイ諦めよう」  店員に軽く会釈をしてから、背中を押して店から離れる。  チラリと見るとルイは涙目になっていた。  「…ごめん。」  角を曲がったところで立ち止まるとルイに小さく謝られる。  「気にしなくて良いって。」  「でも…別のお店探さないと。」  「んー。あ、ここなら商店街が近いじゃん。食べ歩きしようよ」  「…いいの?」  ルイの考えているデートとは違うのかもしれない。  「俺、唐揚げ好きだし。」  頭を撫でると、こくんと頷いてくれた。

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