137 / 173

ルイとデート 5

  「どれ、やる?」  騒音の中、聞こえなかったのかもう一度言う。 「どれ!?やる!?」  ルイはやっと反応する。  ゲーセンを一周してどんなのがあるか見た後、ルイはこう言った。  「圭太の好きな奴やっていいよ!」  おかしいな。  ルイがゲーセンが好きなことは小野から聞いたのに。  てっきりルイの好きなところで止まると思ったら、一周しただけだった。  とりあえず、ルイが一番目を向けていたカーレースゲームへ行く。  「じゃあ、これやろ。」  「っ!…うん」   隣の席に座って対戦モードを選ぶ。  そのレースはルイの圧勝だった。  当たり前だろう。ほぼ初心者の俺と、ゲーセンがすきなルイの戦いだから。  「へへん!」  ルイは自慢気にピースをする。  さすが、やりこんでいるんだろうなと言う言葉は抑えておく。  「負ーけた。」  一度勝ったのが嬉しかったのか、調子が上がって、他のゲームも指差す。  さっきの落ち込みは治ったようだ。  メダルゲームや、UFOキャッチャー、カーレース、シューティングゲーム。  やれるものはかなりやって、いつの間にか帰る時間が迫っていた。  「あれ、最後にやろ。」  そう言ったのは、ボックス型のシューティングゲームだった。

ともだちにシェアしよう!