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ライトデート 6
中に入ると、周りの音が遠くに感じる。代わりにこのゲームの音が壮大に聞こえる。
「待って圭太。コインティニューのために100円玉用意しとかないと。」
ルイはこのゲームも手慣れているようだ。
1面をクリアしてキリのついたところで止める。
結局100円玉はそこまで使わなかった。
「よし、帰ろうか」
そう言って俺は荷物を持ち始めたが、ルイは動く気配はない。
このゲームを順番待ちをしている人もいなかったから、荷物を置いてルイと向き合う。
「ルイ?」
「ごめん。」
顔を上げて目があった瞬間に言われた言葉はそれだった。
「デート、らしいこと、できてなくて、」
「なんで?」
「だって、これじゃ友達と一緒じゃん」
眉毛をへの字に曲げてルイは言う。
「楽しくなかった?」
「楽しかった、けど、」
「ならそれで良いじゃん。」
俺の言葉にルイは言い淀む。
「無理に俺に合わせる必要はないから。ね?ルイが楽しければ俺はそれで良い。」
ギュッと服の裾を掴まれて、俺の胸に頭をぐりぐりと押しつけられる。
「…ばか」
小さな声で、でも聞こえる距離で言われた。
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