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その時は突然やってきた。(3)

アルファの香りに当てられたせいなのか、抑制剤がいつもよりイマイチ効かない。 助けてくれた男性も、出て行ってくれればいいものを、なぜかじっと部屋の隅で俺を見つめている。 なりふり構っていられず、ティッシュペーパーもないのに自身を扱きまくった。 いや配達された荷物を解けば中にティッシュペーパーはあるんだけどな。 そんなの出しに行く余裕はない。 「ふぅ…ん、あっふ、っっん!」 ベッド横にあるタオルを一つ乱暴につかみ、ドプドプ出てくる白濁を拭い去る。 萎えると思われたのに、一回抜いただけじゃ収まらず立て続けに扱きまくった。 「カギっ……そのままでいいんでっ!出てって!……ごめん!よゆーなくて…あふ!んっ!んんっっ!」 「……」 無言で俺の自慰を見つめている男性に、なんとか声をかけたのに、それでも動かない。 自慰なんて見られたくないのに、やめられない。 本当は、ディルドを使って後ろも攻めあげたいところだが、そこまで見世物にしたくもないから震える手で前だけ扱きまくる。 「……織田さん。手伝っていいですか?」 「あっ…ぅ……あんた誰……だよ?あっ!……ぅぅぅぅ…くぅ!」 「ハルトといいます。隣のヤツの友人で……」 そいつはそう言うと、心地いい香りを纏って俺に近づいてきた。初見の男に抱かれるという体験は、28年生きてきて、初めてだった。てか、オメガでありながら、男性経験はゼロだったのだけど。

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