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相談と結論
ピンポンピンポンピンポン……ドンドンドン
かなりの連打でインターホンが鳴らされてる。
ドアも叩かれてる。
そう気づいたのは、16時を少し回った時刻だった。
深い眠りから浮上しつつ、今自分がどんな状況なのか思い出していた。
そういや病院行って帰宅して、少しだけベッドでまどろんでたんだっけ。
スマホには悠斗 くんからの着信でバイブが鳴っている。
時間は指定していなかったけど、たぶん悠斗 くんが仕事そっちのけでうちに来てくれたのだろうか?
ハイハイと応答してスマホに耳を当てつつ、玄関へと向かう。
心配からの安心した様子の悠斗 くんが玄関にいた。
「すみません、寝ちゃってました。」
ドアを開けて迎え入れながら謝った。
「いえ、こっちこそうるさく起こしちゃいましたね。体調どうですか?」
「ん……なんとか。胸がむかむかしてますけど仕方ないみたいだし。」
小さなダイニングテーブルで向かい合って話をする。
心做しか緊張した様子の悠斗 くん。
仕事が手につかず出先からの直帰という荒業でうちに突撃してくれた模様。
ミネラルウォーターや軽く食料品を買い込んで来てくれたようだ。
仕事大丈夫なのかな。
お互い話が途切れがち。
「すみませんでした。あの時発情期なのに、無防備に玄関先に出ちゃった俺が悪かった。」
妊娠した以上は、産むことにした事。
特に番や結婚にはこだわらない事。
認知も求めないつもりだと、悠斗くんに告げた。
人生に悲観しての事ではない。
性欲の薄い俺には、恋愛はハードルが高くて番も結婚相手も自分の子供も手に入るとは思っていなかった。
パートナーはともかく、自分の子供ができるだけでもこんな素晴らしい事はない。
出逢ってすぐの見知らぬ相手と、いきなりの性交に妊娠とか。どんだけビッチだよ、俺。
しかし悠斗 くんは感情の見えない顔つきで宣った。
「……織田さん、僕と結婚しませんか?」
こう言い放った悠斗 くん。
単なる責任をとるつもりの自己犠牲発言か?
彼の真意を図りかねていると。
たまたま寄った友人宅で、想い人に出逢う事が出来たのは歓迎すべき事だった。
本当はあの時に織田の首深くに噛み付いて、番にしたかったのだと、潤んで欲情したような瞳をむけられたが、悠斗 くんの言葉はとても落ち着いたものだった。
心做しか乙女チックになっちゃった俺。
「……はい。俺でよければ。」
そう応えていた。
いいじゃんか。
なんか知らないけど、求められてんだからさ。
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