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3, 静かに聞いたら考えましょう

 「…これが去年の事件さ」  あー長かった。と言って先輩はお茶を一気に飲んだ。時計を見るともう七時、いつもなら寮に帰っている時間だ。  「教えてくださり、ありがとうございました」  そうお礼を言うと、先輩はいやいやと手を横に振った。  「まだ終わってないよ?」  「え?」  ポカーンとしている俺ら三人に、そんな顔になるよね、と先輩は笑う。  「今話したのはみんなが知っている“去年の事件”。でも、ここ、新聞部。もっと深いとこまで知ってる。他の奴らが見て見ぬふりして絶対に教えてくれないことまで知ってる。言っただろ?差し止めされたって」  人の良さそうな顔をして、まるでアニメに出てくるような、ニヤァという効果音がつきそうな笑顔。もしかしたら、俺は大変な部に入ったのかもしれない。ゴックンと生唾を飲み込む。  「でも今日はここまで。流石に俺も疲れた。また明日の放課後に余力があったら話すよ」  先輩のその言葉で帰る準備を始めた。そして部室を出ようとした時に、あぁそうだ。と声をかけられた。  「今日した話のなかで疑問に思ったところがあったら書き出して持ってきな」  正直、全て覚えているわけじゃないから書けるかわからないけど、新聞部の部員として頑張ってみようと思う。

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