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『崩れる均衡』

 舌を出して、その先端を舐めた。  ビクッとほんの少しだけど腰が引けたように見えた。それが嬉しくてもう一度舐める。  何度も何度も舐めて、根元から先端に向けて舐めたり、括れを擽ったりしながら反応があるたびにそれを繰り返した。  上下させる手は唾液で濡れて最初よりもスムーズに動かすことが出来た。  園田は『咥える?触る?』と聞いた。舐めてといわれたから舐めたけど、これを咥えたらいいんだろうか……。  上下する手を止めて、園田のそれを口を開いて咥え込んだ。大きなそれは先端を咥えるのが精一杯だ。歯が当れば痛いだろうと気をつけてはいるが、咥え込もうにも入らない。 「んんっ」  不意に園田が頭を掴んだ。髪の中に手を差し込んで、押さえつけた。  喉に当たるそれにえづくが押さえつけられると吐き出すことも出来ない。  苦しい声を上げると、フッと手が緩んだ。 「げほっ、げほっ……いきなり押えるな」  顔を上げて、片手で口元を拭うと、「ちょっと焦れた」と笑った。 「焦れたって何だよ」 「別に。こっち足回せ。俺もしてやる」 「え?」  思わず洩れた言葉。 「ああ、あ、そっか」  慌てて言われたとおりに足を動かした。動かしたが、がっと足首を掴まれて戸惑って顔を上げた。 「お前は続けてろ」  足首を掴まれて取らされた体勢。それは園田の顔を跨ぐ格好。  嫌だとも言えずにぎゅっと目を閉じる。自分が上にされるなんて思ってもみなくて、羞恥に眩暈までしそうだ。

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