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『崩れる均衡』
「う……あっ……」
園田は触ることも無く、いきなり僕のそれを咥えた。咥えるだけじゃない、吸い上げるようにされて腰が震えた。
ジュッっと音がして羞恥に耳を塞ぎたくなる。
経験の差を見せ付けられる。自分は加えるだけで精一杯だったのだから。園田が焦れると言った意味がようやく分かった。
分かって、目の前にある園田の物を再び口に咥えた。園田がするように咥えて吸う。そうしながら上下に動かして、唇を締めると園田のそれは更に怒張した。
口の中に広がる苦い味に、園田が感じていることを悟る。
そのことに嬉しくなって続けるが、「んんっ……ん」園田が更に刺激するので、止まってしまう。
止まると腰を動かして要求される。
「……んんっ…」
初めての強烈な刺激に腰が勝手に揺れる。園田は的確に刺激してくる。イきそうなのを必死で我慢して太ももが痙攣する。すると園田は口から吐き出すようにして刺激するのを止めてしまった。
ほっとする気持ちと、もう少しだったのにという焦燥感に甘い吐息が洩れた。
「んあっ」
不意にそこに触れられて、驚きに声を上げた。そこを使うことは知識として知ってはいたけど、いざとなると恐怖が先立つ。
「んっ……あ……」
バカ何やってんだっ。止めろっなんて今更言い出せない。
園田は僕の腰に両手を回すと引き下げようと力を込めた。口に含んだままの園田のモノが意図的に外される。
「噛まれたら堪らないからな」
いつもと違う低い甘い声。その声が僕を甘く溶かす。
ゾクゾクとした感覚が身体を駆け抜けていく。園田のそんな声も表情も初めてで戸惑うのと、これがセックスなのだと実感する。
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