20 / 139

『崩れる均衡』

 何も知らない、知識しかない僕に浸透してくる園田という存在。 「うっ……んんっ」  生暖かいものがそこを刺激して、水音が聞こえる。ギュッと目を閉じて、シーツを掴む。何度も舐められて、舌先が入って来た時には驚きに腰を引いた。 「何だよ。こっちできねぇのか?」  何のことか分からずうつ伏せのまま振り返った。 「まさかここまで来てタチとか無いだろ?」  タチ?……ああ、男役ってことか。 「ひ、久しぶりだから、なんだか驚いたんだよ」 誤魔化せるだろうか。ドキドキしながら言うと、園田は、「久しぶりであんなオヤジ相手かよ」と笑った。 「あの人は優しいんだよ」 「何だ。優しくして欲しいのか?」 「そりゃぁ、僕は女王様だからね。優しく丁寧に扱ってもらわないと」 「じゃあ、ご要望にお答えしてやるよ」  園田は僕の足首を掴むと勢いよく持ち上げて、仰向けに転がした。そして両方の膝裏を押さえつけて足を開かせた。 「ち、ちょっと……」  恥ずかしい格好に暴れるが、体格差は力の差で押え付けられると抵抗できなかった。 「持ってろよ」  膝裏を両手で持たされて、さっきまで握っていた枕を腰の下にあてがわれる。 「ちょっ……何やって…」 「いい眺め~」  言いながら園田は自分の指を舐める。その厭らしい仕草に目を奪われる。その指がさっき舐められていたところを擦って、グイッと強く押した。ぬるりとした感覚とともに指が中に入って来たのが分かった。

ともだちにシェアしよう!