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『崩れる均衡』
何も知らない、知識しかない僕に浸透してくる園田という存在。
「うっ……んんっ」
生暖かいものがそこを刺激して、水音が聞こえる。ギュッと目を閉じて、シーツを掴む。何度も舐められて、舌先が入って来た時には驚きに腰を引いた。
「何だよ。こっちできねぇのか?」
何のことか分からずうつ伏せのまま振り返った。
「まさかここまで来てタチとか無いだろ?」
タチ?……ああ、男役ってことか。
「ひ、久しぶりだから、なんだか驚いたんだよ」
誤魔化せるだろうか。ドキドキしながら言うと、園田は、「久しぶりであんなオヤジ相手かよ」と笑った。
「あの人は優しいんだよ」
「何だ。優しくして欲しいのか?」
「そりゃぁ、僕は女王様だからね。優しく丁寧に扱ってもらわないと」
「じゃあ、ご要望にお答えしてやるよ」
園田は僕の足首を掴むと勢いよく持ち上げて、仰向けに転がした。そして両方の膝裏を押さえつけて足を開かせた。
「ち、ちょっと……」
恥ずかしい格好に暴れるが、体格差は力の差で押え付けられると抵抗できなかった。
「持ってろよ」
膝裏を両手で持たされて、さっきまで握っていた枕を腰の下にあてがわれる。
「ちょっ……何やって…」
「いい眺め~」
言いながら園田は自分の指を舐める。その厭らしい仕草に目を奪われる。その指がさっき舐められていたところを擦って、グイッと強く押した。ぬるりとした感覚とともに指が中に入って来たのが分かった。
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