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『崩れる均衡』
「奥まで犯してやろうか? 欲しいんだろ?」
意地悪く笑って顔を覗き込まれる。中に指を入れられたまま反対の手が、放っておかれた乳首を摘んだ。
「やぁつ……ああっ」
「いいな、お前の声……言ってみ。俺が欲しいって」
指を入れたまま乳首から手を離して、その手が頬を撫でた。大きなその手が、頬を優しく撫でるから、勘違いしそうになる。
胸がキュッと締め付けられる。
「ここに」
グチュンと音を立てて更に奥まで指が入り込んできた。身体を仰け反らせると手が滑って足から離れた。
その手を頬を撫でる園田の手に重ねた。
一度ギュッと目を閉じると、「入れて」と言った。
反対の手も足から離して、さっき舐めた園田のものを掴んだ。それを緩く上下に擦ると園田の眉間に皺が寄った。
「たまんねぇ」
その声が掠れていた。指を引き抜くと同時に熱い物が押し当てられて、こじ開ける様に入ってきた。
「うっああ……」
痛みは感じなかった。十分ほぐされていたからだろうか。何度か前後に擦りながら奥まで入ってくる。
縋るように掴んだ園田の腕に力がこもる。
腰の下に枕があるせいで上から圧し掛かるようにして入れられて、その結合部までが見える。腰が合わさって、奥まで入り込むと、園田が息を付いた。
「きっつ……力抜けよ」
言われてもどうやって抜けばいいのか分からない。初めて広げられたそこに感じるのは熱と違和感だけ。痛みは感じなくても緊張している身体には力がこもる。
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