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『崩れる均衡』

「腕、痛いって」 「ごめ……」 「そんなに放っておかれたのかよ」  腕から手を離してもどこかに捕まっていたくて、もう一度腕を掴むとそう言われた。言われた意味が分からなくて首を傾げる。 「それとも、欲しがってるってことか?」  園田が腰を揺すった。 「あっ……いやぁ」  揺すられて、さっき弄られた感じるところを園田のそれが擦った。指とは違う触れ方に身体が跳ね上がった。 「ここ。擦るから」  意地悪く言いながらそこを攻められると身体が跳ね上がり、勝手に腰が揺れた。グチュグチュと音を立てて奥まで突き入れられると、それもまた快感に繋がる。  何度か繰り返した後に、園田が動きを止めた。 「どうして欲しい?」  見下ろされて意地悪な顔で聞かれる。中に入っている園田には中がうねって絡み付いていることがありありと分かっているのだろう。分かっていて、僕を煽っているのだ。 「梓の言うとおりにしてやるぜ? なぁ。泣いて許しを請うぐらい犯してやろうか?」 「バカな事、言ってないで……さっさと動け」 「何? ガンガン攻めて欲しいのかよ」 「ちがっ……あっ……はんっ」  話してる途中で揺さぶられると、開いたままだった口から止められずに喘ぎが洩れた。それに気を良くしたのか園田はゆっくりと動き出す。  ゆっくりと入口近くだけを刺激されて、物足りなさに腰が勝手に動く。中が疼いて仕方がない。教えられた快感に身体は忠実だ。  ゆっくりと腰を引かれる。抜けそうなところまで引かれて、「中」と小さく呟いた。 「中を?」

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