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『戻せない現実』

『………どうした?』 「……裏の入口、開けて」 『分かった』  シャワーを簡単に浴びて脱衣所に置いたままだった自分の服を着込むとまだベッドにいた園田を置いて、タクシーで寮まで帰ってきた。学校に入るためには裏口を開けてもらわなければ入れない。その入口は寮の門限時間と共に締められる。中にいる人間に頼まなければ開けられないのだ。  門燈の横に隠れるように立っていると、一臣が開けに来てくれた。 「ごめんね。ありがとう」 「ああ」  開けてもらって中に入るけど、足が縺れて転びそうになった。一臣が慌てて支えてくれた。 「酔ってるのか?」 「……ううん。大丈夫。ごめん」  終わってすぐは身体が動いたのに、徐々にあちこちが痛み出した。腰も痛いし、無理に広げた足も痛い。腕や手も普段使わないところに力を入れていたせいだろう強張ってきていた。 「一臣……悪いんだけど、おんぶして」  ずるずると地面に落ちていく体を一臣に預ける。 「は?」 「身体が……動かせない」  支えられていたけどズルズルとその場にしゃがみ込んだ。 「何やってきたんだよ。お前」  怪訝な顔で一臣は見下ろしていた。それを見上げて、「やることされてきた」と笑った。 「何言って……って……大丈夫だったのか?」 「……うん。大丈夫。同意の上だから」 「相手は?」 「………だ。ああ、いや、相手はちょっとね」

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