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『広がり続ける』

「嫌だっ」  園田を押し退けた。押し退けた拍子に園田の背中が『ドンッ』と激しく体育倉庫の扉にぶつかった。 「ってぇな」  園田は言いながら起き上がって、「何だよ。急に」とぼやいた。  昨日の寮長会での『受けてきた』と言った園田の言葉に僕は大きなショックを受けていた。 「今日はそんな気分じゃないんだよ」 「気分なんて聞いてねぇよ」  園田は僕を積み上げられた体操マットの上に押し倒した。  薄暗い体育館倉庫。普段使われていない第二体育館に園田に連れて来られたのだ。第二体育館は放課後でも部活は行われていない。積まれたマットは湿気を帯びていてかび臭かった。 「嫌だって。こんな汚いところ」 「机の上はいいのにマットの上じゃ嫌なのかよ」  園田は僕のシャツのボタンを外そうとするけど、僕が暴れるからなかなか思うように外せなくて、グイッと力任せに引っ張った。  シャツのボタンが2つ飛んだ。 「園田っ。やだって言ってるだろ」  足掻いて園田を蹴った。痛かったのだろう腹を押えて、「分かったよ」と言うと起き上がって扉の方に向かった。 『ガタンッ……ガタッ……』  園田は扉を開けようとガタガタ音を立てるが、「あかねぇ」と呟いて蹴ったり体当たりしたりした。 「……マジであかねぇんだけど」 「え……」  マットから降りると扉まで駆け寄った。  何度引いても、押しても扉はびくともしない。 「さっき、俺がぶつかった時に鍵でもかかっちまったのかな……」

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