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『広がり続ける』

 園田の手が頬に触れた。包み込むようにされて、こめかみに流れた涙に唇が触れた。  顔にキスされるのは初めてで驚く同時に甘い感覚がそこから広がった。  両手で頬を包まれて園田の顔が近くにある。  荒い息が顔……唇に届くと震えた。 「……たまんねぇ」  呟いて……唇がふれ……『ドンドンドンッ』外から大きくドアを叩かれた。 『テツッ。おーい。テツいるかぁ?』  猛の声が聞こえた。 「ああ。猛。閉じ込められた。職員室から鍵を取って来い」  園田が身体を起こすと、中に入っていたモノが動いて擦れた。声を上げそうになって両手で口を塞いだ。 『分かった。すぐ戻ってくるから』  猛の足音が遠ざかると、「時間無いからな」と呟いて、僕の前を手で掴んで擦りあげながら腰を動かした。  引きつるような痛みと快感が入り混じって、悲鳴を上げそうになる口を押えた手を噛んで耐えた。  激しい抜き差しを繰り返して、最奥を突くと同時に園田が息を詰めた。  フッと離れる体温。汗ばむ身体。痛みにイケ無かった。でも身体はぐったりとして、抜かれる時にようやく痛みから解放された。 「傷はできてないから大丈夫だろ」  園田の言葉にカッと頭に血が上って、起き上がると同時にその頬を殴りつけた。 「お前なんかっ大嫌いだっ」  嗚咽を漏らして痛む拳を胸に抱いて、僕は床に座り込んだ。

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