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『焦れる』

「嫌だって言ってる」 「お前の意見なんて聞いてねぇ」  園田は僕の手を振り解くとグッと本棚に押さえつけて抵抗を物ともせずにズボンのベルトを外した。 「止めろってば。こんなところで……誰か来たら……」 「お前が大声出さなきゃ誰もこねぇよ」 「とっ……ってぇ」  急に身体を反転させられて園田に背を向けるように押え付けられた。  ベルトを外されたズボンは簡単に太ももの位置まで下着ごと引き摺り降ろされた。 「やめっ……」 「声、出すなよ。人が来るぞ」  この状況で来られても困る。抵抗を続けても園田は途中で止めることは無いから無駄なのだけど……。  この間の体育倉庫での発言もあるから素直に流されるのも嫌だ。だけど、園田がここで離れて行くのも……。  3日ぶりに感じる園田の体温に安堵すると共に自分に嫌悪する。  背中に感じるのは園田の胸。襟足に口付けされて慄く。  シャツの裾から手を入れられて、乳首を摘まれるとそこから生まれる快感に膝が笑う。  本棚に縋った両手をグッと握り締めるけど、それは空を切るばかりで心許ない。 「……んっ……やめっ」  訴えても園田の手は止まない。太ももまで下げられたズボンが足枷になってもたつく。露になった太ももをその大きな手が撫でる。  太ももからなで上げられて、双房を撫でて、潤いも無いそこを指先が撫でる。  うなじにキスを繰り返し、今度は耳に唇が移動する。少し荒い息使いに園田の興奮を知って安堵する。

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