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『焦れる』
「……んっ……あ」
キュッと摘まれた乳首に声を上げてしまった。
「……声出すなよ。人が来る」
「……」
こくこくと頷いた。
後ろを弄っていた手が離れてぬるりとした感覚に、びくっと身体を竦ませた。
「ちょ、ちょっと、園田っ……こんなとこで……」
「別にどこだっていいだろ。3日も我慢してやったんだから」
……。
それはあの体育倉庫以来誰ともやってないってことだろうか。僕を避けていた間、誰とも……。
僕だけかもしれないという期待が膨らむ。
つぷんっと指が中に入ってくると、立ったままの無理な体勢のせいか逃げをうってしまう。
「……んっ……はぁ……」
押え付けられて目の前の本に両手を付いて、顔を横に振った。
人気の無い場所で互いの荒い息が聞こえる。それに混じる水音に耳を塞ぎたくなる。
指は抜き差しを繰り返しながら、徐々に奥へと入ってくる。ゾワゾワとした感覚がそこから広がり、乳首を摘まれればきゅっと締め付けて、その指に絡んだ。
容赦なく快感を与えられて、教え込まされた快感に身体は正直で、園田の指をもっとと貪欲に求める。
人が来るかもしれない、見られるかもしれないという危惧に身体は強張るのに、快感はそれさえも凌駕して、敏感になる。
それを園田は気がついている。
「前、滴ってるぞ」
耳に吹き込まれる言葉に唇を噛み締めて横に首を振った。
「ズボン、染みになるぞ」
「……いやぁ……」
押し殺した声は甘く蕩けている。増やされた指が中を開くように押し入ってきて、弱いところを探り当てて攻めて来る。
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