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『焦れる』
前に手を回されて、激しく中を穿つ。
「……っ……あ」
ポタポタと床に散ったものが音を立てる。耳に聞こえるのは園田の荒い息遣い。ドクンッドクンッと脈打つように中に吐き出される。
中に入ったまま、「お前、拭くもん持ってるか?」と掠れた声が聞こえた。
「……んっ、ズボン……中」
腰を支えられてなければ座り込むだろう。園田はゴソゴソと僕の膝まで落とされたズボンを探って、ハンカチを取り出すと、ズルリと中から抜き出した。
手早く後片付けをされて、力の入らない指先でもたついていると、園田がベルトを留めてくれた。
「また背負ってやろうか?」
「……一人にしといて」
汚した床も綺麗にして、僕が力なく座り込むと園田が横に座った。
「一人にしてって言ったでしょ」
「5時限目が終わったから生徒が来るぞ」
「え? 嘘……」
いくらここが貸し出し禁止の本ばかりで、生徒が近づかないところでも、放課後となれば図書館利用者は増える。
2人でのんびり座っている場合じゃない。
「帰る」
立ち上がるとだるい身体はよろけた。
「素直に背負われりゃいいのに」
「こ、こんなところで背負われて出て行ったらなんていい分けするんだよっ」
体育倉庫とは違う。こんなところで気分なんか悪くなる理由が無い。
「お前、軽いよな。食ってるか?」
3日前に背負われた時のことだろうけど、「一緒に夕飯食べてるだろ」と言い返した。
「全然少ない」
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