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『出会い』

「試験範囲が発表されたから模範テストを作った。コピーしに行くから付き合え」 「何で、僕が……他にいないの?」 「休みでみんな出払ってんだよ」  たまの休日。もうすぐ試験が始まるから、この休みは貴重なのだ。僕のようにごろごろして過ごしてる寮生は少ないだろう。  園田は今朝、戻ってきて部屋から出てこなかったのはこの模範テストを作っていたからだろう。  見た目に反して、園田って真面目だ……。  遊んでそうな外見のくせに……。 「何だ? 行くぞ」 「え~……」  言いながら派手なTシャツの上に生成りのシャツを羽織ると園田に続いて部屋を出た。  コピーは意外と早く終わったが、何せ、寮生全員分だ。それが各教科ごとにある。ダンボールにそれを詰めた。 「終わり?」 「夜に談話室で全員に配る。明日には全員提出させて、点数の低い奴は個別指導だな」 「面倒だね」 「今回は負けられないからな」  園田は呟いてダンボールを抱え上げると、「寮まで持って行ってくるから鍵を返しておけ」とコピー室の鍵を渡された。  鍵を手に持って歩きながら、今回は負けられないってことは、僕をA寮に帰すつもりは無いって事だろうか。  それとも前回の副寮長選で勝ったから、負けられないってことだろうか。  昨日は僕を一臣に任せたくせに。  鍵を振り回しながら廊下を進んでいく。後ろから近づいてくる足音に振り替えると4人いて僕に手を振った。  確か、B寮の……。名前が思い出せないからクラスは違う。 「ちょっと聞きたいんだけど」 「何?」

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