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『出会い』

 4人が後ずさる。 「恥ずかしいね。僕に頼むことがあるなら、成績を上げるか、名をあげるかしてよ。ああ、部活してるんだよね? 何部? この学園に長くいて名前も知られていないんじゃ大したことないってことかなぁ?」  部活は運動があまり得意ではないから興味は無い。だけど、バスケット部が全国大会に出たとか、剣道部やテニス部のエースの名前くらいは知っている。  背の高い4人を下から上目遣いに見上げる。  一人が息を飲むのが伝わる。 「一臣には言ってあるんだよ。僕は帰らないって。それだけご執心な僕に何かして……。大丈夫かなぁ? もしも僕が怪我でもしたら大会には出られなくなるし、休部ってこともあり得るよね」  息を飲んだ生徒の顎に指先を当てて、「名前は?」と聞くと4人は顔を見合わせて、「もういい。じゃあな」と踵を返して走るように廊下を進んでいった。 「じゃあ、僕は行くところがあるから」  手を振って職員室に向かって歩き出した。  この程度で引き下がるくらいなら、僕に頼みに来なければいいのに。 「さすが女王様」  職員室の入口には園田が立っていた。 「何?」 「俺は何を頼もうかな」  園田は意味ありげに笑った。さっきの4人とのやり取りを聞いていたのだろう。 「側にいたなら代わりに相手をしてくれれば良かったのに」 「別に側にいたわけじゃない。お前がまだ鍵を返しに来てなかったから様子を見に行ったらたまたま居合わせただけだ」 「たまたま居合わせたにしては、廊下にはいなかったじゃない」

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