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『決断』

 借り1?……確かに園田が助け舟を出してくれたのは確かだけど、借りって程でもないだろう…。園田に借りなんて作ったらどんな要求をされるか分からない。 「別に使わなくても、舐めりゃ何とでもなるだろ? 最初っからいい奴なんて稀なんだから、最初にいい思いさせときゃ次ヤリやすいって」  ………。まあ、そうだろうけど、園田。あけっぴろげすぎじゃないか?  次って……。 「ああ? 時間かけりゃ大丈夫だろ」  一臣が何を質問したのかは分からないけど、園田は真剣に返事をしていた。 「ジェル使えば問題ない。よっぽどお前のがでかくなけりゃな」  園田は笑いながら手元にあったペンを取ると、机に広げた紙の端に、「今夜やらせろ」と書いた。 「別に普通だろ。ああ。明日の朝一で梓やるから、心配ならその時に何とかしてもらえ」  園田はニヤニヤと笑いながらこっちを見つめている。  僕が首を横に振ると、「借り返せ」と書き足す。  僕は園田の手からペンを取ると、「いやだ」と書き足したのに、「あいつらがうまく行かなかったらお前の責任だぞ?」と喋ったから慌てて携帯を取り上げたが、通話は終わっていた。 「あいつらがコンビニから帰って来る時に渡して来い」  園田は立ち上がると自分の部屋に行って、「これな」と見覚えのあるチューブを渡された。未開封の新品だ。 「使い方は今説明しといたから渡せば分かる」 「借りって程でもないでしょ」  園田に借りなんて作りたくない。この部屋で抱かれたくもない。

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