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『甘い告白』

 驚きに見つめたまま名前を呼んだけど、園田はもう一度口付けをして、「なんて顔してるんだ?」と笑った。  涙は驚きに止まった。 「何で……キ、キス?」  どうしてキスをするのだろう。僕は今告白したはずなのに。突き放されるはずなのに。  何だろう。この甘い雰囲気は。  両腕を身体に回されて、抱き寄せられている。 「園田?」  もう一度確認する。僕は夢でも見ているんだろうか。長く夢見過ぎて、願望が夢で現われているんだろうか。 「アズ?」 「………何で?」 「どうしたんだ?」  園田は不思議そうに僕を見つめている。見渡して確認する。ここは僕の知らない部屋だ。一度だって入ったことは無い。  だから、夢なら好きに想像できる。 「もう少しこのまま寝るから起さないで。今、幸せだから」  腕に頭を乗せたまま目を閉じて擦り寄った。そして、自分の腕を園田に回した。 「別に、寝るのはかまわねぇけど」  園田がポンポンと頭を軽く叩いた。 「うん。このままがいい」  ずっと夢の中を漂っていたい。園田に抱かれて、包まれてキスされて、親しい名を呼ばれて、ちょっと腰が痛いけど、幸せ。 「夢でも腰は痛いのか」 「梓? 寝ぼけてるのか?」  言葉の理解に時間がかかった。

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